「坐骨モゾ」は「理想の座り方」のトレーニングになりますが、「理想の座り方」をどこまで体現できるかは、個人差があります。
そこで、誰もが「理想の座り方」を体験できるイス「アーユル・チェアー」をモニターとして体験してみました。
「坐骨モゾ」は大腰筋を活性化する
前々回、骨盤を立てて座る方法として「坐骨モゾ」を紹介しました。
→「正しい座り方の最重要ポイントは〇〇!」
「ゆる体操」の開発者・運動科学者高岡英夫氏は、「坐骨モゾ」を次のように説明しています。
坐骨モゾは、古来よりヨガ・禅などの座った状態での能力開発法やトレーニング法が追い求めてきた「理想の座り方」をマスターするための基礎訓練法として役立ちます。
高岡英夫『決定版 ゆる体操』PHP研究所 p.60 より
長時間疲れない座り方ができれば、腰痛も怖くはありません。
私自身は、20年以上ゆる体操を実践する中で、坐骨モゾが「理想の座り方をマスターするための基礎訓練法」という説明は、嘘偽りない適格な説明と感じています。
ただ、座っているときに「坐骨」を意識することで「長時間疲れない」といえるのは、かなりこの座り方に慣れた後のことでしょう。
初めのうちは坐骨を意識して骨盤が立った姿勢にかなり違和感があるのではないでしょうか?
この骨盤が立った姿勢を維持するために最も重要な筋肉が、インナーマッスルの代表格といわれる大腰筋です。
大腰筋は、背骨と大腿骨を直接つないでいる筋肉で、上半身と下半身にまたがってついている唯一の筋肉です。
普段からねこ背が当たり前になっている方は、この大腰筋が弱く、充分に働いていません。
本来は、大腰筋が背骨を理想的な位置にキープしておくためのリーダーのような役割を果たしてくれることで、正しい姿勢が保てるのです。
ところが、大腰筋によるリーダーシップが弱いと、胴体を支えるために腹筋や腰背部の筋肉など、周囲の筋肉に、より頼らなければならなくなり、ねこ背や反り腰になってしまうのです。
坐骨モゾは、大腰筋が体幹部のリーダーシップを取れるようになるための訓練といっても良いでしょう。
身体を動かそうと一生懸命になると、ムダな力が入ってしまいます。
なるべく体幹部をゆるめるように意識してソフトにやることで、徐々に大腰筋がはたらくようになります。
アーユル・チェアーを使ってみて
私は整体の現場で「坐骨モゾ」をお教えする機会が多いのですが、初めてやってどこまで上手くできるかには、やはり個人差があります。
そこで、この座り方を誰でも強制的にできるようにしてくれる椅子「アーユル・チェアー」のモニターに応募して実際に使ってみました。
実は、「坐骨モゾ」の考案者である運動科学者・高岡英夫氏もアーユル・チェアーの記者発表の際にセミナーをされています。
→「衰えた姿勢力を回復させる画期的な発明」
実際に、アーユル・チェアーを使ってみて私が感じたのは、
・硬くて、独特の形状の座面によって坐骨がハッキリ意識できること
・通常の背もたれにかわる「腰当て」によって骨盤が安定し、楽に正しい姿勢が維持できる
の2つです。アーユル・チェアーの「腰当て」は普通の背もたれに比べるとかなり低く、骨盤をガッチリ、ホールドするように使う仕様になっています。
骨盤が安定すると、背骨が今までよりも「頼りになる」感じがして、意外なほどラクにいい姿勢が保てるようになります。
宇都宮あさの整体に来院された何人かの方に座っていただいて、
「骨盤が安定して、肩までラクになる」
「ねこ背が勝手に直って不思議」
などの感想をいただきました。
骨盤が安定することは、全身にプラスの影響を与えます。
頭痛体質克服のためにも一番掴んでいただきたい感覚です。
アーユル・チェアーのおすすめの使い方
ただし、椅子によって強制的に骨盤を立てさせられると、大腰筋をはじめ、普段あまり使っていない筋肉(腹横筋、腰方形筋など)が使われるようになるので、慣れないうちは、お尻が痛くなったり、
これらの筋肉が筋肉痛になったりしがちです。
徐々に体を慣らしていくのが望ましいでしょう。
アーユル・チェアーの公式サイトでも、
・違和感があっても1カ月ほどで慣れること
・慣れた後も、座り過ぎは禁物。30分に一度は立ち上がること
が、うたわれています。
私としては、どうしてもデスクワークが長時間に及ぶ人などは、購入した場合も他の椅子との併用が良いのではないかと思います。
いずれにしても、「正しい姿勢」がピンとこない人には、一度は試していただきたい椅子です。
→「正しい姿勢」の条件
頭痛体質を克服したいひとには、是非とも自力でこの姿勢を維持できるようになることをゴールにしていただきたいです。
アーユル・チェアーを使った「坐骨座り」から坐骨モゾの「坐骨で立つ」が当たり前にできるようになると、頭痛以外のいろいろな不調が勝手に改善していきますよ。
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