何回かに分けて、正しい姿勢が頭痛解消の重要なことをお伝えしました。
今回は、頭痛解消に、より直接的な効果を持つ体操になります。
仕事の合間にからだが固まり、姿勢が崩れてきた時に硬さをリセットする際にも、極めて有効です。
これが上手くなれば、緊張型頭痛でお悩みの方は、「9割の頭痛を解消できる」と言っても言い過ぎではないでしょう。
片頭痛持ちの方は、少し注意が必要です。
片頭痛の発作が出ている最中は、脳の血管が広がっているために、これをやると血流が良くなって余計に脳の血管が広がってしまい、頭痛が悪化する可能性があります。
では、片頭痛の人はやらない方が良いのかというと、全く逆で、片頭痛を予防する上で、最も重要な体操になります。
なるべく、頭痛が起きていない時に取り組むようにしてください。
肩ユッタリ
今回紹介するのは、「肩ユッタリ」という体操ですが、これも「坐骨モゾ」と同じ「ゆる体操」の中の重要な体操の1つです。
→「坐骨モゾ」を紹介した記事
まずは、「肩ユッタリ」の基本的なやり方。立って行うのが基本です。
この体操の動きを最初に説明しますと、
○両肩が前下方から前上方に行き、
○前上方を前から後に移り、
○今度は後下方から前下方に行く流れです。
それを円運動としてやります。
初めて行うときは、肩や肩甲骨周りの筋肉がガチガチで動かしにくい方も多いでしょうから、足を前後にすると動かしやすくなるので、オススメです。
大事なのは「ダラーっ」という脱力感
全体を通して大事なのは、「ダラーっ」とした脱力感です。
仕事でも普段の生活でも、「ダラーっ」という擬態語をプラスの意味で使う機会はあまりないと思います。
特に、警察や消防など、常日頃「ビシッ」としていることを求められる職業の方は、「ダラーっ」という言葉自体に抵抗を感じる方が多いようです。
しかし、「ダラーっ」とできることは心身の健康に極めて重要です。
仕事中は難しいと思いますが、リラックスできる時間に「ダラーっ」とする感覚を体得していただきたいものです。
また、さするときの「気持ちよく」や、肩をまわすときの「ユッタリ」という言葉をつぶやくのも、やるのとやらないのでは効果が3倍違うという研究結果が出ています。
特に、肩を回して前下方から回して前上方にいき、後ろにきて「タリ」とおろすときに「スーッ」と力が抜ける感覚が、この体操の醍醐味です。
苦手な人にとっては、ココの脱力感が一番難しいのですが、「ユッタリ」という言葉を実感を持ってつぶやくことで、感覚をつかむ助けになります。
肩先だけをぐるぐる回すのはNG
「肩ユッタリ」は、肩をさすって前から後ろに回すだけの一見シンプルな体操です。
「これくらいならば普段からやっているよ」
と言う方も多いかもしれません。
ただそのときに、肩先だけをぐるぐる回しているようですと、なかなか肩周りがほぐれません。
大事なのは、より内側の肋骨周りの筋肉を解きほぐしゆるめることです。
私がこの体操を初めてやる方に教えるときには、
「肩ではなく、肩甲骨から動かすイメージでやってください」
と伝えるようにしています。
これは実はあまり正確な表現ではありませんが、この体操の正しいイメージを持ってもらいやすいようです。
肩こりがひどく、筋肉が固まっている人ほど肩先だけの小さな円運動になってしまいがちです。
四十肩・五十肩の人であれば、それも上手くできないかもしれません。
この体操に慣れて上手くなってくると、肩先だけだった円運動が、肩甲骨よりも内側で大きな円が描けるようになってきます。
そうなってくると、肩こり筋とも呼ばれる僧帽筋の動きから、肋間筋などからだの奥にある筋肉が参加して、解きほぐされるようになり、大きなリラックス効果が生まれてきます。
体操後の姿勢は?
この体操の一番多いNGパターンは、「ユッタリ」と肩を降ろしたときに、うなずく様な形になってしまったり、背中が丸まったりして、ねこ背になってしまうことです。
これでは、「肩ユッタリ」によって肩周りがほぐれたとしても、頭の重みが首や肩に掛かって、時間とともに肩こりや頭痛が復活してしまいます。
「ユッタリ」で、肩を降ろしたときに、肩甲骨が後ろに引かれて、頭が骨盤の真上に乗っている「正しい姿勢」に戻れるように取り組んでください。
実は、最後に正しい姿勢に戻るためには、以前ご紹介した「坐骨モゾ」と組み合わせることが非常に有効です。次回その方法をお伝えしたいと思います。
まとめ
注意点をまとめます。
○片頭痛持ちの人は、頭痛が無いときにやる。
○脱力感を持って行う。「気持ちよく」「ユッタリ」などの言葉をつぶやくと、脱力感をつかみやすい。
○肩先だけでなく、肋骨周りでまわすイメージで
○肩を降ろしたときに、リラックスしつつも正しい姿勢に戻れるように
コメント